さらに続きです。
株価は幻想の上に成り立っている。
その幻想はいろんな要素から成り立っている。
業績だったり、過去の値動きだったり、会社の評判だったり、トップの人柄だったりします。極端には会社名も幻想を生んだりします。
例えばITバブル、いろんな銘柄が上昇しましたが、正直言って何をしているかわからない会社でもあがったりしました。パソコンに弱いんでちんぷんかんぷんなのにお客さんに薦めたりして。ネット関連なら良いって幻想が私にあったんでしょうね。
たしかにネットは普及しましたが、それが会社にどう寄与するかまで分析してなかった。
まったく業績があがらない会社もあったわけで。
「ただ市場は多数の投資家が集まっていてそれぞれ合理的に行動するので、株価は常に正しく会社の価値を顕す。」
こういう考え方もありますが、「常に」とは言えないのではないかと思います。まず全ての参加者が常に合理的な判断をするとはいえないんじゃないか。冷静で合理的ならばバブルが生じたり暴落したりなんて激しい動きはないんじゃないかと思います。
合理的な水準があるならそこに収斂されるはずですからね。
株価は常に行き過ぎる。長い目でみれば落ち着くところに落ち着こうとするが、過程では常にずれた値をとってる。
その差額に利益のチャンスがある。
そうでないと一瞬に情報を織り込んですぐに適正値になりますから。
我々が思ってるほど市場は効率的でないのかもしれません。
ですから「株価は常に正しい会社の価値に近づこうとしている」程度が正しいのかもしれません。いや幻想にもとづいた会社の価値ですが。
ところで今回のようなTOBの場合やはり価格を決めなければいけない。
株価平均法、類似会社比較法、DCF法といろんな手法を使って決めます。それぞれの短所を補完する意味で使うんですが、不完全な手法が集まって決めても結局不完全な価格です。
こういうと「じゃあ、お前が計算しろや」と言われてしまいますが、私にも計算できないです。無責任ですみません。
さて「市場株価も正しい企業価値を表すとはかぎらない。」
これは商いが成立することからも言えます。
同じ値段を高いと判断する売り手と割安を判断する買い手がいて売買が成立する。
結果は後にならないとわからない。売った値段より高くてもまた買い直すこともありえます。
その判断の自由が保障されていることが前提です。市場自由主義っていうくらいですから。
また期限が定められていないことも判断の自由を保障する必要条件です。
「またいつか下がるから買おう」とか「今度上がったら売ろう」などの戦略がとれるからです。
「売り」「買い」「待ち」この3つしかないわけですから。
「待ち」を奪われると「売り」か「買い」しかなくなる。さらに「買い」まで制限されては「売り」しかなくなりますから。
「買い」を制限する?
可能です。
「この値段より上では買いませんよ」って言ってしまえばよい。
「この値段より上は無効になりますよ」って言えばよい。
「んな、アホな」って感じですが、上場廃止を前提としたTOBってこういうことではないですかね。
例えば経営権を取るためだけのTOBで55%取得を目指す。上場は続けるって言われた場合。
経営陣が変わって会社の価値が下がると思えば、「売り」
反対なら「持ち」か「買い」これをフリーライド(ただ乗り)戦略と言うそうです。
いろんな戦略がとれます。
上場廃止になるとアナウンスされれば「買い」「持ち」の戦略はあきらかに不利になる。
よって結果「売り」が多くなる。
さらに「持っていても」強制的に株券が無効になる(現金に変わる)とアナウンスされる。
その価格は決まっていない(予定は未定)
そうなれば嫌でも「売り」に応じなくてはならない。半強制的にです。
それでも嫌なら裁判費用を工面して価格で争うしか対抗できない。
強圧的に株式を集めてその結果を持って「みんな納得したんだから」って論理は非常に無理があると思います。
強制排除の特別決議をするならば、TOB以前にするべきです。
「株主の皆さん、上場廃止にしてもよいですか」
これで2/3以上が賛成するのならしかたない。多数決で決まったことですから。
だますように票を集めてからの多数決に意味があるのか?
選挙ならすぐ逮捕者がでそうですね。
もちろん「だますように」って言葉は言いすぎです。ちゃんと情報は開示している。
もう少しわかりやすく書くべきだとは思いますが。
ある株式の掲示板で「紙切れになるの~?」
との質問が出ておりました。
やはりちゃんと情報が周知されていないのかなと感じます。
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